■ 関西支部(大阪)/医療・福祉/大阪府済生会中津病院


病院ボランティア活動と大阪府済生会中津病院

大阪府済生会中津病院
院長 川嶋 成乃亮

済生会は、明治天皇の恵まれない人々のために「施薬救療」事業を起こすようにという「済生勅語」を受けて、明治44年に創立され、現在は総裁、秋篠宮殿下のもとに全国40の都道府県に、79の病院と350以上の医療・介護・福祉施設を有しています。大阪府済生会中津病院は、済生会3番目の病院として大正5年に設立され、来年、平成28年にて、創立100周年を迎えます。この間、長きにわたり、『地域のすべての人々に質の高い医療を提供する』ことを使命として、地域の住民の方々の健康を守るべく努めてまいりました。中津病院はJR大阪駅から徒歩数分に位置し、748病床と全国済生会の中で最も多い病床数をもつ都市型大型総合病院です。多くの診療科を有していますが、特にがん診療と脳・心・血管病などの急性期治療に力を入れています。一方、老健や特養、児童福祉施設・乳児院、障害児入所施設・整肢学院などを併設し、医学的のみならず、生活的あるいは社会的にお困りの方々に、済生会ならではの一体となった医療・介護・福祉サービスを行っています。

中津病院では2004年2月からボランティア受け入れを始め、翌年の1月から三井V-Netのお世話になり、これまで20名ものボランティアの方々に来て頂いています。

病院側がボランティアの方々に期待する役割は、病院によって多少の違いはあるかと思いますが、職員では行き届かない細やかな患者サービスを行いよりよい療養環境を作っていただく役割と、地域社会と病院とを結びつける役割とが重要ではないかと考えています。

中津病院には三井V-Net以外のボランティアの方々も多く参加しており、全体として【こもれび】というボランティアの院内団体(グループ)に加わり活動して頂いています。【こもれび】では『ゆっくりと優雅に活動する〜利用者の歩く速度、話すテンポ、お気持ちに寄り添う〜』ということを活動姿勢にしておられます。病院の職員は患者さんをはじめとした利用者の方々に対して、心では「丁寧にゆっくりと」と思っていても、目先の業務に追われ、効率を追いかけ、ともすれば機械的な対応になりがちです。【こもれび】の方々は、さりげない気配りで、病院職員では手の届かないいろいろなことを、ゆっくりとそれでいてしっかりとフォローして下さっています。

毎年開催されている【こもれび】の懇親会や総会において、ボランティア活動を通じてのご感想を拝聴し、意見交換を行っています。時には厳しいご意見も頂戴しますが、病院職員の目線ではなく、患者さんや利用者さんの目線に立った、貴重なご意見であり、病院が更に進化していくために大いに参考にさせて頂いています。一方において、中津病院でのボランティア活動が、ボランティアの皆様にとっても生活の励み、メリハリになっているとのお言葉を伺うこともあり、病院としても嬉しく思っております

医療を取り巻く環境は急速に変化しています。財政赤字の中、急速な高齢化社会を迎えた今日、医療費の高騰を抑えるべく、病院経営にとって厳しい様々な施策が打ち出されてきています。我々医療人が目指す医療とは、質の高い、それでいて患者さんにやさしい医療であると考えますが、まずは経済性ありきの今日の医療環境の中では、効率性が問われます。一見非効率と思われる中に『やさしさ』は存在するのであり、効率性重視の医療の中で、『患者さんにとってやさしい医療』をどのように創っていくかはこれからの大きなテーマです。また、厚労省の打ち出す医療費抑制のための病床数削減方針のもと、これからは病院の淘汰が進むものと想定されます。その中で、患者さんや利用者の方々に信頼され、愛される病院のみが生き抜いて いけるものと考えます。そのためにも益々のボランティアの方々のご協力・ご支援を宜しくお願いいたします。


大阪府済生会中津病院ボランティア「こもれび」活動

大阪府済生会中津病院
病院ボランティアコーディネーター
松尾 裕美

「こもれび」ボランティア室の朝の風景は、一人、また一人とボランティアさんが集まって来られ、活動前のひと時のおしゃべりが弾みます。当院では2004年2月、3名のボランティア受入れに始まり、2014年4月では60余名にボランティア活動登録をしていただいています。そのうち三井V-Netからご紹介をいただいた方は、2004年12月にお一人目となる故上村明様から数えると延20名、現在12名の方が月〜金まで各々のご都合の良い曜日に活動をしていただいています。

左から道上様  筆者  梅津様

活動内容は主にロビー案内と情報ライブラリー(患者図書・情報室)開館サポート活動です。ロビー案内では再診受付機前での案内や薬受取りサポート、入院患者様の病棟案内の他、病院周辺の美化清掃等をおこなっていただいています。

活動者仲間の息もピッタリで、患者様がお尋ねされた検査室へのご案内をされている方があれば、再診受付機操作の手伝いをしておられる方、面会受付へのご案内。 情報ライブラリーでは、図書貸出し及び返却手続や図書を一緒に選んだり、病気のことを調べたい患者様のインターネット検索のサポートをしたり。お昼までの約2時間、患者様への目配り、気配りとともにさりげなくお声をかけて寄り添い、職員とも積極的にパートナーシップを図ってくださいます。「まるで病院内に一筋のこもれびが射すような活動」と話す職員もおり、いつも温かな愛ある活動に職員一同、感謝しております。

「こもれび」活動は今年の2月で10年が過ぎ、記念行事と記念誌作成を計画しています。三井V-Netから活動していただいている梅津嘉一郎様(前こもれび代表)、道上博墨様(こもれび代表)はじめ皆様方のご尽力により開催を実現できますこと、紙面をお借りしてあらためてお礼申し上げます。

活動の終りに活動記録を各々に書いていただくのですが、活動者同士が気づいたことや、活動状況を話しながら共に喜び、励ましあっておられる姿を見る時が、コーディネーターとして嬉しく、かけがえのない時間となっております。これからもよろしくお願い申し上げます。


癒しの時をつくる 大阪府済生会中津病院ボランティア活動

井上 恵子(登録会員)

私は3年前より大阪府済生会中津病院ボランティア「こもれび」で活動をしています。

中津病院では月に一度程、職員で構成された文化ボランティア委員会と病院ボランティア室主催のコンサートが開催されています。病院には不安を感じたり、悩んだり、時にはその解決方法を探しておられる方がおられます。グランドピアノが置かれ、絵画も飾られているロビーで開催しているコンサートは、そんな気持ちを抱えている方の癒しになっています。

月1回土曜日の夕方30分程の時間ですが、院内も落ち着く時間帯なので、患者さんは楽しみにしていたと次々と会場に来られます。私達ボランティアは職員の方とコミュニケーションを取りながら安全を確保しながら会場や音響準備、通りかかった方へお声がけをします。時にはマイクを持っての司会もします。内容はコーラスや親子ゴスペル、ピアノソロやギター演奏の他に、落語など様々な芸術・芸能ボランティアの出演があります。

「ロビーコンサート」ママ ゴスペル演奏会

観客の皆さんは本当に熱心に聴いて下さる方が多く、長いピアノ曲等もじっと聴いておられますし、感動のあまり涙を浮かべる方もおられます。またノリの良い曲だと手拍子で盛り上げてくださいます。こんな純粋な感動を共有し、そっと寄り添えられる素直な喜びを感じます。

また、コンサートとは別に患者さんがほっとする空間を提供する「こもれびサロン」の活動も始めています。先日はCDでクラシック音楽を聴きながら、画集を楽しむ企画でしたが、クラシック好きの患者さんが来られて、ひと時を楽しんでおられました。

「こもれびサロン」ピアノと歌とフルート演奏会

私がボランティア活動を志した動機は突然の病で夫を失った自分を立て直すためでした。今では心地よい癒しを感じる活動をする中で、やりきれなかった想いも少しずつ薄まっている気がします。コンサートの最後は必ず皆さんと歌うプログラムがあり、私も一緒に歌っているととても気持ちが良くなります。これからもこの時間を大切にしていきたいと思います。




大阪府済生会中津病院でのボランティア

梅津嘉一郎(三井住友海上OB)

この平成23年4月で済生会中津病院でのボランティア活動が7年目を迎えます。今思うとあっという間の6年間でした。始めたころ中津病院はボランティアを受け入れてからまだ1年でしたので人数も少なく、活動範囲もロビー案内が主でした。

ボランティア活動をして間もなく、手術を受け3週間近くの入院を経験しました。その中で病院の有難さ、また、病院の先生、看護師の方の大変さも知りました。そこから中津病院でのボランティア活動の基本を「患者」と「病院」を繋ぐことを私は基本としました。

病院に来られ方は何らかの不安を感じておられる方が多いと思います。不安を少しでも和らげ、安心して診療が受けられるように精神的な面でのお手伝いをしてきました。患者さんの中には病院に不満がある方がおられますが、ボランティアが間に入りますと不満も和らぐようです。患者さんの笑顔とお礼の言葉はボランティア冥利に尽きます。  

中津病院でのボランティア活動も年数が経つにつれロビー案内が主でしたものが今では活動種類も10数項目を超えてきました。(病室への巡回図書・お茶サービス・インターネットサービス等)登録人数も40名を超えました。その中で三井ボランティアネットワーク事業団からのボランティアも7名おります。病院からも三井ボランティアネットワーク事業団に対して大きな評価をいただいております。これからの多くの方の参加が待たれます。  

週1回のボランティア活動ですが生活にメリハリがつき有難く思っております。あと何年出来るかわかりませんが出来るだけ頑張っていくつもりです。


大阪府済生会中津病院「情報ライブラリー」での活動

太田 里美(登録会員)

中津病院北棟2階にあるこぢんまりとした部屋が情報ライブラリー(患者図書室)です。入口にはボランティアが手作りした季節感あふれる開室案内パネルが有り、温かい雰囲気です。

平日10時から15時が開室時間です。開室時間中には入院患者さん、外来患者さんはもちろんのこと、病院関係者の方も来てくださいます。

「面白い本はないかな?」とぶらりといらっしゃる患者さんもあり、「どんな本がお好きですか?」などと言いつつ本棚の前で一緒に探します。本談義に花が咲くこともあり、楽しいひと時です。

蔵書数7500冊!ほとんどが寄贈書です。どこからこれだけの本が集まったのかと不思議なほど多種多様な本があります。私が普段は手にしないような本も書棚に沢山あり、感心したり、我が読書範囲の狭さを痛感したりです。ボランティア仲間やコーディネーターから紹介された本を読み、それがきっかけで次々と読む本が広がっていくこともあります。

中津病院情報ライブラリーでは患者さんの希望にきめ細かく柔軟に対応することを大切にしています。できるだけ患者さんに喜んでもらえるよう、本の知識も増やし、患者さんとの応対についても勉強していきたいと思っています。

中津病院でボランティアをしていると楽しいおまけもあります。
  雨の中、大学生のボランテイア2人と一緒に傘をさしてパンジーの花を摘んだことがありました。 押し花にするためです。摘んできた花をティッシュペーパーで水気をとりながら電話帳に挟んでいきました。 三人で作業しながらのよもやま話。そんなひと時も楽しい思い出です。この時の押し花は驚くほどきれいにでき上りました。それを思い出し、今朝ベランダのパンジーを摘んで重しをかけてみました。さて、うまくできるでしょうか。

夫が亡くなってから始めたボランティア活動です。活動していると沢山の人と出会います。歳をとってからの友人もできました。社会とどこかでつながっている安心感もあります。中津病院でのボランティアは4年目となりますが、体が動く間は活動を続けたいと思っています。  


大阪府済生会中津病院ボランティア表彰受ける

藤田淑雄(王子製紙OB)

2007年夏、三井V-Netより大阪府済生会中津病院ボランティアの紹介があり、同年1月に 急逝された王子製紙上村先輩の後を引き継ぐことになりました。それが、2009年11月に200時間表彰を戴き、 週1回2時間でもこんなになるのかとの思いです。これも病院やボランティア仲間の皆様のお陰と感謝しております。 >>続く


初めてのボランティア

浜地慶子(三井住友銀行OG)

43年間の永い銀行員の生活が終わりに近づいて来た頃、退職後はどのようなライフスタイルにすれば、 充実した日々が過ごせるかと考えるようになりました。現職中は、毎日業務に追われ帰宅すれば、 くたくたになりそのようなことを考える時間の余裕もなくただ健康を維持するのに精一杯でした。>>続く