本部(東京)/国際交流/横浜国大部会


2017年日産自動車 追浜工場見学(2017.1.9)

横浜国大部会
行事世話人 縄岡 修二(三井物産OB)

2017年1月9日に実施した日産自動車 追浜工場見学の概要を下記の通り報告いたします。

今回の参加者は当部会員13名、留学生19名合計32名でした。留学生の国籍は韓国、中国を中心に9カ国と多岐にわたりました。

今回の特徴としては、昨年は横国大を窓口にして一般留学生にも門戸を広げて募集したが、今年は部会員と部会員のパートナー留学生のみでの見学となりました。また昨年までは大学入試センター試験の前日(休校日)に行っていましたが、この日は日産の都合で見学時間や定員の制約があったために、初めての試みとして「成人の日」にしました。

見学人数が20名以上のため2組に分け、それぞれに英語の通訳をつけました。

プログラム内容

09:30 同社活動概要のプレゼンテーション及び生産方式説明のビデオ
10:00〜11:00バスによる輸出専用埠頭他の施設見学(約20分)
徒歩による工場内生産ラインの見学(約40分)
11:00Q&A

※ 2組に分かれたので、施設見学と生産ライン見学の順番は組によって逆になりました。

港湾施設見学では、輸出専用埠頭に自動車専用船が入港してり、積み込みの様子を見ることができした。主に北米に向けて輸出されています。今回は国内輸送用の埠頭には自動車運搬船が入港していませんでした。そのほか部品倉庫などもバスの中から見学しました。「同期生産」方式に基づき、顧客の注文内容は日産自動車本体だけでなく同時に外部の部品供給協力会社にも通知されており、生産計画に応じ、4日前に部品供給が行われています。1台の完成車は約2万5千から3万の部品から成り立っていますが、約70%を外部から購入しています。生産は2交替制ですが、外部からの部品供給は4時間毎24時間体制で、大型トラックで部品倉庫に供給されています。

バス見学のあと、徒歩で工場内の組立ラインの見学をしました。 工場内で見学したのは「トリム(組立)ライン」及び最終検査工程です。「トリムライン」では 車体の溶接組立及び塗装が完了した後、シート、カーペット、ガラス、バンパー、インストルメント・パネルなど3,000点の車の内外装部品の取り付けを行う行程です。

見学は塗装後、ドアーを一旦外す行程から始まりました。ドアーを外す目的は、車内の部品取り付け作業がやり易いこと及びドアーに傷を付けないようにするためです。

生産ラインに流されている車は「多車種同時生産方式」を採用しており、注文・納期順に違った車種(例えばガソリン自動車“ジューク”の次は電気自動車の“リーフ”)、同じ車種でも輸出向け・国内向けなど異なった仕様の車が同じ組み立てラインで流れてくるのは非常に興味深いものでした。

このラインでは、作業員の近くにそれぞれの車の仕様に合った部品が無人搬送車(AGV)で,組み立てラインと同じスピードで運ばれてきており、必要な器具と共にすぐ手が届く位置に置かれています。作業員の無駄な動きを省くことができます。

さらに、生産効率だけでなく作業員の負担を軽くする様々な工夫を見ることができました。例えば部品の取り付け位置・作業員の姿勢に合わせ、車体の高さを調節することができる専用の台車を使うこと、またコックピットモジュールなど重い部品の取り付けには「楽々ハンド」と呼ばれる装置を使うことです。このコックピットモジュールはメインラインのすぐ横のラインで部品会社により組立てられており、取付けのタイミングに合わせ、自動的に作業員の手元に搬送されてくるよう設計されています。

さらに組立てラインの床は、以前は鉄板でしたが、現在は木製になっており、これも人間工学の面から作業員の身体への負担を緩和する目的があります。

留学生は、それぞれの行程の説明に、とくに組立ラインにおける様々な工夫に熱心に耳を傾けていました。ほとんどの留学生が初めて自動車生産ラインを見学して感銘を受けていました。

工場内の見学通路は狭く、通路のすぐ横を無人搬送車(AGV)が頻繁に行き来していましたが、留学生は注意事項をよく守り、今年も事故も無く見学を終了することができました。

日産の方には、参加予定者リスト提出の段階で定員40名をオーバーしていたにもかかわらず、快く引き受けて頂きました(実際の参加者は大幅に下回りましたが)。また見学時間も超過しましたが、留学生のQ & Aに丁寧に対応して頂きました。

最後に事務局を初め、様々な側面でご協力をお願いした部会員の方々に感謝いたします。


《参加留学生の感想文》

人間と機械との協調によるモノづくり

横浜国大留学生 ジョンミンジュ

新年に入ってから約1週間が過ぎ、横須賀の追浜にある日産自動車の工場に見学しに行くことになりました。昨年、学校の授業の課題のために横浜にある他の日産の工場にも行ったことがありますが、そこではエンジンしか作られていなかったので車の全体的な組み立て方を見るのは初めてでした。参加者全員は朝早く追浜駅に集まり、三井V-Netのボランティアの方々の引率で工場に着きました。1階の展示場で自由に日産の様々な車やその作動原理を見た後、2階のホールで日産自動車と追浜工場についての簡単な説明を聞きました。その後、グループに分けられ別々のコースで見学を始めました。各グループでは英語の通訳をしてくれる方がいたので、日本語が分からない参加者も安心して見学することが出来ました。

私のグループはバスに乗りガイドさんの説明を聞きながら、まずは工場の外の様々な所を案内してもらいました。そこで、完成され日本国内のお客様への配達を待っている車や海外への輸出のために作られた車などを見て, 私は日本製の車の世界的な人気に驚きました。バスツアーが終わった後、工場の中へ入り、歩きながらどのように車が作られているのかを見ました。

工場の中で私を最もびっくりさせたのは、スタッフと機械との調和でした。私は次第に機械化・自動化されてきている現代の社会では、機械の速さと正確性に追い付いていくことが出来ない人間はその役割が減少し、いつか人間の労働力は不必要になると思っていました。しかし、私が工場の中で見たのは少し違いました。思った通り、ほとんどの作業は機械がしていましたが、そこで働いているスタッフも少なくなかったです。さらに、車の安全性テストや最後の確認は人間がしていたので、その中で人間の役割も大きいということが分かりました。スタッフの方々は働きながら、作業が大変だった行程についてアイデアを出しあい、そのアイデアが実際に装置になった所もありました。それは、まるで人間と機械の相互共存を見ているようでした。

私がすでに述べたように、いつか社会の様々な所で人間の労働力を必要としない日が来るかもしれません。しかし、私が今回の工場見学を通して感じたのは、“人間が使うものを作るためにはまだ人間が必要だ”ということでした。人間と機械との協調によるモノづくりはこれからもさらに進むと思います。



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